プラトニックラヴ 

メールとか拍手とか、色んなトコで。
井上、手、どうなの?って聞かれるんで。
ちょいとだけ、本文入る前に説明しときまっす。

腕の外側部分っつーのかな。
上腕三等筋側(どこだよそれー!)
小指側から半分の感覚が、ねぇんです。
中指が曖昧で、人差し指と親指はあるよ。
人差し指のチカラなんて、ねぇよーのもんだけど(笑)

んでもって、胸から下(乳首含む)の感覚が、
全くなくなってまってます。残念。

この施設生活編の頃失った部分は、
上記で説明した部分です。

今現在のことは、最後まで読んでくれたらわかるっ!


絆〜Pieces〜 No.21

手の自由がうまくきかなくても。
それでも、なんとかやれるんだということ。
それを、教えてくれたのは、
一番近くにいてくれた、もんちゃんだった。

もんちゃんの左手は、あたしと同じ。
右手がある程度使える分、
あたしには出来ないことも出来たりして。
あたしは、それを「ズルイ」と言って笑った。

そして、週に一回だけ会う坊主。
ヒデ、という少年。
彼は、両手共に指先の自由は、
ほとんどないに等しかった。

あたしと同じ病気で自由を奪われた、かずさ。
彼女の手は、いつも握られていて。
そんな彼女にも、勇気付けられた。

それから・・・レイちゃん。
彼は、食堂での座席が、
あたしの斜め前の兄貴だった。
両手の感覚が、ほとんどない。
鎖骨から下が、麻痺している状態。
それでも、突然シモネタを振ってくるような、
すごく男前な兄貴だった。

そんな、頚椎に問題を抱えた、
手の自由が少しだけきかないみんなが。
あたしに、勇気を与えてくれた。

いつもと変わらぬ喫煙所。
いつもと変わらぬコンビニまでの道。
いつもと変わらぬ、みんなの笑顔。

さり気なく、コンビニのお弁当のパッケージを、
開けてから渡してくれる、北原さん。
缶コーヒーを開けるための道具を、
割り箸を削って作ってくれた、高見さん。
ペットボトルの蓋を開けてくれた、もんちゃん。
自分の不器用な手にイラついていると、
「切っちゃうか?」と自虐ネタを振ってくれた、串田さん。

だから、あたしは、頑張れた。

いつからか、あたしは。

このカラダになってなかったら、
みんなに出逢えなかったということ。
もんちゃんと、付き合っていないということ。
そのことに、気付いて。

このカラダも、悪くないじゃん。

そう、思えるようになっていたんだ。

車椅子で行動するのは、めんどくさい。
段差ひとつで、行けない場所もある。
雨の日なんか、本当に最悪で。
握力のない、あたしの手は、
車椅子を前に進めることも難しい。

不自由だと、思う。確かに。

だけど、この出逢いがあって。
純粋に好きだと言える相手がいて。
そして、好きだと言ってもらえる。

あたしは、不幸じゃ、ない。

不自由になったけど、不幸にはならなかったんだ。

いつから思ったのかすら、思い出せないけれど。
だけど、ふと、そのことに気付いた夜。

あたしは、声を上げて、泣いた。

そして、泣きつかれて眠りについた、
その、夢の中で、あたしは。

初めて、車椅子に乗った自分の夢を、見た。

車椅子をぐんぐんこいで、
涙が出るほど笑ってる自分の夢。

あたしが、完全に。
障害を認めた、瞬間だったんだと思う。

毎晩、消灯後のメールで育んだ、
もんちゃんとの恋。
いつも「ありがとう」を伝えてた。

慣れない、へたくそな、絵文字で。

もんちゃん、という呼び方も、
「だいすけ」に変わった。
最初は、あたしの名前を呼ばなかった彼も、
「まき」と呼んでくれるようになった。

少しずつ、少しずつだけど、
あたしたちの想いは重なり合って、
イロトリドリの、世界を感じられるようになって。

生きてることを、実感した。

ただ。ただ、その頃。
なにより、悔しかったこと。

抱き締めてくれる腕のぬくもりが、
背中に回った、彼の腕のぬくもりが。

感じられない、こと。

それでも、お互いの、感覚のある部分。
そこに触れ合うことで、あたしたちは。

今、ここで、一緒に、生きてる。

そう、感じて・・・
心で、イロイロなものを感じて。

静かに、だけど、強く強く。

足りないものを、埋め尽くすように。
足りない部分を、補うように。

生きていこう。一緒に。

どんなときも、ふたりだから、笑える。

一人前のことが出来ない2人だからこそ、
2人いてこそ、一人前になれるんだね。

そう言い合って、ふたりで。
穏やかな時間を、過ごしていた。

そう。もう、これ以上、
何も悪いことなんか起きないよって。
そう、お互いに、手をとりながら。

あたしたちは、生きていた。

〜続く〜

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[ 2008/06/29 22:31 ] | TB(0) | CM(0)

変わったこと。 

絆〜Pieces〜 No.20

手の自由が制限されて、
あたしは、伸ばした髪の毛を切った。

腰まで伸びた、身の毛を。
あたしは、ショートカットにした。

真剣に、変わったことについて、
あたしは考える夜が続いていた。

脚が動かないこと、感覚がないこと。
座ってる感覚もないからバランスが取りづらいこと。

体温調節がきかないから、熱がこもること。
逆に、冷えたら冷えっぱなし。
感覚のない部分は汗がでない。

ケガをしたら、治りが悪い。
感覚がない分、ぶつけても気付くことができない。
いわゆる床ずれ、褥瘡(じょくそう)が出来たらタイヘン。
ひどければ、数ヶ月の入院生活となる。

靴を履くのがめんどくさい。
履けない靴も、ある。
大好きだったハイヒール。
つま先の開いたオサレなサンダル。
怪我を覚悟で履くしかない。
履くことが、なかなか出来ない。

足の指は時々折れる。
折れても放置するしかない。
ついでに痛くない。

腹筋も背筋もなくなったから、
ベッドから起き上がるのに時間がかかる。
時々起き上がれない。
寝返りすら、うまく出来ない。

トイレの感覚もないから、
自分でカテーテルを使わないと出せない。

血圧がすぐ下がる。
貧血で真っ白になる。

咳もくしゃみも、うまくできない。
飲み込みが悪いから、
すぐ喉にものを詰まらせる。

握力がないから、ペットボトルは開かない。
開けるときは、口を使う。
何かを開ける、破るという動作は基本的に口。

ライターも使える種類、使えない種類がある。

洋服がうまくたためない。
着替えも遅くてヘタ。
化粧も遅くてヘタ。
あ。それは前からか。

爪がよく割れるから、マニュキュアが出来ない。
つけ爪も危ない。
顔がうまく洗えない。

歯ブラシもうまく出来ない。
ものをすぐ落とす。

手のカタチが不自然。

お風呂で洗うのは、どれを取ってもタイヘン。
だから、伸びた髪も切った。

鼻がうまくかめない。
あ。それも前からかも。

肺活量がないらしい。
歌を歌うと血圧が下がるのと、
息が続かないのと、
音がうまくとれなくなった。
腹から声なんて、でない。

ピアスもネックレスも自力はムリ。
あ、ピアスはなんとかできるときがある。

爪は自分で切れない。

肩があがらない。

服も、考えないと着れない。
試着室なんか、使えない。

お店も自由に入れない。
トイレを考えなきゃいけない。
行きたい場所に、なかなか行けない。

車椅子がないと、動けない。
視界が、大きく変わった。
見える景色が、違う。


あげだしたらキリがないんだ。
わかってた。
たぶん、まだまだあげきれない。
それだけ、生活が変わった。

そして、こうなって出来ること。

毎日、みんなの優しさを素直に感謝出来ること。
小さな発見を、大きく喜ぶことが出来ること。

人に、優しくなれたこと。

ひとりで生きていけない分、
誰かに寄り添って生きるしかない分。
ひとを、大切に、大切に、想えること。

失ったものは、大きいけれど。
得たものも、大きいんだということ。

今、だからこそ言えることもある。
あの頃。手の自由が制限され始めた、
あの、施設で過ごした、大切な時間。
あの時には、気付くことができなかったこと。
今、だからこそ、言えること。

リアルタイムに、先日から。
あの頃と同じように。
・・・あの頃、以上に。

手の自由が、また、制限された。

あの頃、初めて手の自由が制限された、
あの頃に書いた手記をそのまま、
そして、それに今の気持ちを少しだけプラスして。

絆〜Pieces〜No.20とさせて頂きました。

あの頃は、出来なくなったことの大きさに、
負けそうになる毎日でした。
今も、同じように、負けそうになるけれど。

みんながいるから、頑張れる。
仲間・・・友達、家族、親戚。

そして、これを読んでくれている、みんな。

ありがとう。
本っっ当に、ありがとう。

〜続く〜

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↑キリのいいNo.20だったので、感謝の気持ちを添えました。
[ 2008/06/26 23:39 ] | TB(0) | CM(2)

オモチャと仮面 

絆〜Pieces〜 No.19

あたしの手の感覚がなくなった日。

目覚めた瞬間、気付いてしまったんだ。

カラダの支えにしている抱き枕。
通称・ジョン という名の、ドナルド。
柔らかい、肌触り。

起き上がるために、ジョンに、触れた。

触れた。触れた。触れた。

・・・触れた、ハズだった。

優しくて、柔らかいハズのジョンに。
あたしは、触れた、ハズだった。

だけど、あたしの、この手は。

自分の意思とは関係なく、
曲がった、小指。薬指。

この、丸まった、手は。

ジョンの柔らかさに、触れていなかった。

触れていなかったんじゃなくて、
あたしが、触れたことに気付けていないんだと。

そのことを認めるまでに、
どれだけの時間がかかっていただろう。

恐る恐る、開こうとした、この手は。

わずかな動きしか、しなかった。

開けないなら、握れ。

あたしの中の、誰かが叫んだ気がした。

握れ。握れ。握れ。

小刻みに、震えるだけの、あたしの手。

開くことも、握ることも。
わずかな動きでしか、表現できない。

・・・オモチャ、みたいだ。

そう、あたしが思うのと、
あたしの腕が、宙を舞うのは、同時だった。

ガシャンッ

振り下ろした腕は、てすりに落ちた。

そのときのことを、あたしは。
ハッキリと覚えていない。

何回、振り下ろしたんだろう、この腕を。

腕を持ち上げることすら、儘ならず。
重たい、まるで、鉛のような、腕。

振り下ろす、というほどのチカラは、
あたしの中に、なかったのは確かだった。

ただ、あたしは。

何度も、小指の付け根の辺りを、
てすりに、打ち続けていた。

ガシャン ガシャン カシャン カシャン

涙すら、全くでなかった。

何度打ち付けたかも、
なぜ、そうしようと思ったかも、
全く思い出せないけれど。

あのときの、宙を舞っている腕と、
てすりと「何か」がぶつかり合う音だけは、
今も、鮮明に覚えている。

てすりと「何か」が、ぶつかり合う音。

紛れもなく、あたしの、手が。
てすりとぶつかり合っている音だということに、
やっと気付いた頃には。

あたしの手は、腫れ上がっていた。

見るからに、痛々しい色をして。
見るからに、痛々しい腫れ方をして。

だけど、痛みは、感じなかった。

手の痛みだけじゃなく。

心すらも、全く、痛まなかった。

感情や、思考回路や、そういった、
人間らしい、すべてのものが。

完全に、停止、していた。

腫れ上がった手を、じっと見つめて。

人差し指で、押してみようと試みても。
反発の、うまくできない、人差し指が、
あたしの目の前に。そこに、いた。

しばらくして、ケータイが鳴った。

あたしがかけていた、目覚ましだった。

ケータイ、止めなきゃ。

暫く停止していた、あたしのアタマが。
やっと動いたとき、思ったことは、それだった。

ケータイを手繰り寄せて、
たどたどしい両手と、カオを使って。
やっと開けたケータイのボタンを。

どうやって、押したら、いいんだろう。

鳴り続けるケータイの音が、
泣き喚いているような、ケータイの音が、
あたしの気持ちを焦らせる。

ボタン、昨日まで。
ねぇ。どうやって、押してたの?

あたしは、焦る気持ちと、
昨日までが思い出せない怖さに、
押し潰されそうになりながら。

ダメ。今日も、朝はきたんだよ。
笑うの。今日も、みんなと笑うの。

もんちゃんと、笑い合うの。

そう、自分に言い聞かせて。
親指に、すべてを託した。

どの指よりも、言うことを聞いた親指は。
あたしを焦らせるケータイを鳴き止ませ。

代わりに、あたしを、泣かせた。

2,3粒の涙を、あたしは、そのとき、流した。

溢れるほどの涙は、出なかった。

あたしは、何事もなかったかのようなカオをして。
溢れる涙の代わりに、溢れる笑顔を準備して。

みんなの待つ、食堂に、喫煙所に、
その日も、元気に、行ったんだ。

心配、かけたくなかったから。
みんなと一緒にいられる喫煙所に、
笑顔で、一緒に、いたかったから。

隠し切れることじゃないのは、
十分、わかっていたけれど。

だけど、あの日、あの朝、あの瞬間は。

笑顔の仮面を、被らせて欲しかったんだ。

この手を、あたしの一部なんだと、
自分で認めてやれるまでは。

それまでは、どうか。

笑顔の仮面でいることを、許して。

〜続く〜

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↑先日から、この頃以上に手が言うこと聞かないのは気のせい・・・。
[ 2008/06/24 23:40 ] | TB(0) | CM(0)

偶然、必然、突然。 

絆〜Pieces〜 No.18

「その日」は、突然やってきた。

何食わぬカオで、岡田が帰ってきた。
帰ってきたと言っても、
仕事の帰りに遊びに来ただけで。
また、入所したわけではないんだけど。

ファーイト!闘うキミの歌を〜
闘わないヤツらが笑うだろ〜
ファーイト!冷たい〜水〜の中を〜
ふるえながら のぼ〜って〜ゆけ〜
(song by 中島みゆき)

そんな歌を爆音で流しながら、
岡田が、帰ってきた、夕食後の喫煙所。

夕食と言っても、あたしたちは。
ほとんど食べずに残しては、
夜な夜なコンビニで買い食いをする。
だから、岡田が帰ってきた、その日。
岡田も含めて、みんなで、
コンビニへと車椅子を走らせて。
いつもの場所で、夕食を食べたんだ。

いつもの場所。

それは、施設の2階にある部屋。
TVがある、談話室。

通称、集会室。

ポットもシンクもあって、
食事をするには最適な場所。

いつものよーに、夕食を食べて、
TVを観ながら笑い合って。
そろそろ、もう一服いこうか、と。
みんなが動き始めた、頃だった。

きっと、その一服に行ったら。
消灯まで。岡田を見送るまで。
喫煙所で過ごすだろう時間だった。

そんな時間の、エレベーターホール。

あたしと、岡田と、タカちゃん。
そして、もんちゃん。

「その時」は、きた。

あの〜。みんなのケータイ教えてクダサイ。

そんな、もんちゃんの、ひとこと。

岡田はノリノリで、
充電の切れ掛かったケータイを出した。
タカちゃんはめんどくさそうなフリして、
だけど、岡田のノリに便乗してた。

あたしは。

物凄い、緊張していたんだ。

みんなのってことは、
あたしのケータイも聞かれてる?
え、でも、姐御のはいいや、とか。
そんなイキオイだったらどうしよう。

だ・・・出していいの?ケータイ。

岡田やタカちゃんと交換してる姿を、
あたしは少しだけ離れた場所から、
様子を伺うように見ていた。

もんちゃんが、振り向いて。

だけど、あたしと目が合った瞬間。

そ、逸らされた。

うつむくような姿で、
だけど、こっちに車椅子を向けていて。

あたしは、耳から心臓が出るんじゃないかと思った。
そう。口からではなくって。
2つに弾けて、耳から出るんじゃないかって。
そう思うくらいに、鼓動がやかましくて耳障りで。

それを、誤魔化すかのように。

はい!はーい!赤外線!!

そんなノリで。
うまく開かなくなってきた手で。
ケータイを、開いた。

もんちゃんにとっては、
ただの連絡先交換だったかもしれない。
だけど、あたしにとっては。

人生が変わるほどの、瞬間だった。

その日から、少しずつだけど。
メールの交換が始まって。
映画の話や、ドラマの話なんかをして。
今度、一緒にDVD観ようとか。
そんな話なんかして。

もんちゃんに返信する前にさ。
A子に、送る内容チェックしてもらったり。

そう。もんちゃんからのメールは。
女の子かと思うくらい、可愛らしくて。
だから、あたしも負けてられなくて。
乙女っぷり、必死に出して。

それはもう、必死で、頑張ってたんだ。

必死で頑張りながら、気付いてたんだ。

あたしの手、悲鳴上げてる。
ケータイを持つ手が、悲鳴上げてる。

ケータイが、重い。

ボタンが、押せてるようで、押せてない。

もし。もしも。
明日、目が覚めて。
手が、動かなくなったとしても。

最後に、メール出来た相手が、
もんちゃんだったら。
悪く、ないよ、ね。

あたしは、井上まき。

恋に生きるオンナ、だよ。

毎夜、消灯後にやり取りをする、
他愛ない会話のメールが。
本当は、すごく、あたしには。

大きな、大きな、支えでした。

生きてるのも悪くないと思ってたあたしが。

恋に生きるオンナだったんだって。
あたしって、そんなヤツだったんだって。

生きてんじゃん。今、あたし。
生きてくんじゃん。これからも、あたし。

そう、少しずつ思えるようになって。

手の、異様な痺れを感じながら。
それでも、必死で打つメールには。
あたしの「生きる気力」と「生き甲斐」が、
たくさん、たくさん、込められていた。

・・・数日後。

あたしたちは、メールで。
お互いの気持ちを、伝え合ったんだ。
そっと、さり気なく、小さな言葉で。

好き、みたいだ。

それから、さらに数日が経って。

あたしの手は、とうとう、感覚を、失くした。

〜続く〜

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↑思い出すと鳥肌たつくらい、実はショックがでかかった瞬間でした。
[ 2008/06/23 21:59 ] | TB(0) | CM(4)

DJ、始めました。 

冷やし中華始めたのと同じくらいさり気なく。
実は冷やし中華のタレが苦手。
そんな自称20歳の乙女です。

懐かしいと言われてDJ井上、
今夜もチェケラでござんす。

画伯へ
アンタがいたら合コン盛り上がったよ。
あたい、ムリして大塚愛とか歌わないですんだ。

乳フェチなあなたへ
井上さんの胸は夢と希望で出来てますか?って。
なんかすげー懐かしい拍手がきたけども。

残念。夢と脂肪ででけてます。

ときめいてるあなたへ
初恋は実らないと相場が決まってんじゃい!
悔しいけど、オメデトウ(棒読み)


・・・あれ?限定2人だったっけ。
打った文字が可哀相なので気にしない方向で。

拍手、いつでも受けてたちます。

さ、更新すます。

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↑とりあえず拍手レスだけでも押してくれたら乳がでかくなる(予定)
[ 2008/06/23 20:55 ] DJ井上(拍手レス) | TB(0) | CM(0)

ヒカリ 

絆〜Pieces〜 No.17

それは、とある週末だった。
ひたすら部屋でゲームをやっていて。
ご飯を食べることすら忘れてて。

ぁ、タバコ吸いてぇ。

ふと思い立って、喫煙所に向かって。
そこでやっぱり、ふと思い立って、
セブンイレブンに直行して。
咥えタバコのまま、交差点を駆け抜けて。

天気が良かったことを、あたしは覚えてる。

串田さんは今日もパチンコで、
夕方帰ってくるからねと言い残して、
颯爽とクルマを飛ばしてた。

あたしも、そのとき。
颯爽と車椅子を飛ばして。
コンビニで大量のお菓子を買って。

遠足気分だった。
喫煙所から見る桜もキレイで、
タバコも、美味しくて。

すごく、いい週末だった。

夕方には串田さんが帰ってきて、
きっと、夜は焼き鳥屋でビールを飲んで、
しょっぱい焼き鳥を食べて、
串田さんのパチンコ話に笑うんだろう。

そんなことを思って、
あたしは体力温存だ、と。
部屋に向かって、またゲームをしてた。

心なしか、ゲームをする手が、
自由が利かないけれど。

そんな、ときだった。

あたしのケータイが鳴った。

何気なく開いて、何気なく見たメール。


−−−−−−−−−−−−−−−
付き合ってる意味ないんだけど
−−−−−−−−−−−−−−−


あたし。とりあえず二度見した。

差出人から、二度見した。

タカちゃんから、だった。

あたしは、何を感じるでもなく、
何を考えるでもなく、親指を動かした。


−−−−−−−−−−−−−−−
付き合ってたかどーかも、
わかんないんだけど。
−−−−−−−−−−−−−−−


あっー!言っちゃったー!!

送信ボタンを押してから、あたし。
あっー!って、ホントに叫んでた。

そしたら、即返信が来て。


−−−−−−−−−−−−−−−
別れよう。
付き合ってる意味がねー。
−−−−−−−−−−−−−−−


って、書いてありました。

・・・つ、付き合ってたんだ。
やっぱり、付き合ってたんだ。

えーっと。返信しなきゃ。
付き合ってる意味がないって。
さっきから言われてるけども。
これに対して、何か言うべきかしら。

あたし。考えました。
ものすごく、考えてみました。

で、送りました。


−−−−−−−−−−−−−−−
了解!
−−−−−−−−−−−−−−−


あ、明るすぎたー!!

でも、こーして。
告白もなく、特に何もなく、
付き合ってる意味の前に、
付き合ってたかもわかんない、
そんな、タカちゃんとの関係は、
静かに終わっていきました。

そして、その日の夕方。
帰ってきた串田さんと焼き鳥屋に行って、
あたしは、言いました。

まきとタカちゃんって、
なんか付き合ってたらしくて、
今日、終わったらしいよ。

串田さんはビールを飲み干しながら。

ダメだ、タカちゃんは。
俺は許しません!

と。まるでお父さんのように。
娘の交際に反対するお父さんのように。
そう言って、ビールをおかわりして。

あたしに向かって笑いかけながら。
改めて、乾杯をしてくれた。

お疲れさまと、言いながら。

それから数日後。

タカちゃんは、出会った頃のように。
今までの数週間がウソのように。
普通に喋る子に、なっていた。

・・・キミの意味がわかんねぇ。

あたしは心の中でつぶやきながらも、
今までどーり、変わることなく。
姐御として、接していた。

なにごともなく、過ぎていく毎日。
岡田のいない日中の寂しさも少しずつ、
ホントに少しずつだけど、薄れていって。

相変わらず、笑いの絶えない喫煙所。

徐々に、距離の短くなった高見さん。
映画やドラマ談義に花を咲かせたり。
そうして、深まった高見さんとの仲。

毎週、水曜日は通所訓練の人が多く、
喫煙所が一番賑わう日で。
その通所で来ていた、ヒデとの仲も、
この頃から深まっていった。

喫煙所は、やっぱり不思議な空間で。
タバコを吸いながら語るうちに、
気付けば仲は深まっていて。

素の自分をさらけ出せる場所。

それが、喫煙所だった。

少なくとも、あの施設の、あの場所は。
そんな、不思議な癒しの空間だった。

夕食後の喫煙所で笑いながら、
タバコを吸う、あたしたちの火はまるで。
ホタルのヒカリ、だった。
儚くも心に染みるヒカリ、だった。

このヒカリが道標だった。

〜続く〜

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↑もうちょっとしたら、番外編を書こうと思うので応援夜露乳首♪
[ 2008/06/22 22:00 ] | TB(0) | CM(0)

なんとなく 

絆〜Pieces〜 No.16

淡々と毎日が過ぎていた。
岡田が退所してからというもの、
なんとなく、何かが足りない。

北原さんは、相変わらず良く食べるし、
あたしは、相変わらず可愛いメール練習。
串田さんも、相変わらずパチンコが好きで、
高見さんは週末、サックスを練習してる。

タカちゃんとは、口も利かなくなっていた。
挨拶をしても返ってこない。
避けられてることに気付いたから、
あたしは放っておくことにした。

そんな、なんとなく過ぎる毎日。

もんちゃんとは、喫煙所で良く話した。
自分の気持ちを打ち明けることはなく、
ただ、お互いのカラダのこと、気持ちのこと。

もんちゃんは、バイク事故で今に至る。
バイクが好きで、クルマが好きで。
その、クルマの免許を取りに行ってる途中。
あと、卒業検定と本試験で免許に手が届く。

そんな、ときだったと言う。

大好きなバイクで、クルマに、はねられた。

大好きなもので、大好きなものを失った。

マニュアルのクルマに乗りたかったんだ。

そう言って、もんちゃんは遠い目をしてた。

あたしたちは、それぞれ。
何かしら、大好きなものを失っていて。
大切なものを、失っていて。

だからこそ、今、手にした仲間という、
大きな大きなものを、手放すまいと、
必死で生きて、いるのかもしれない。

その大切な仲間のひとり。
岡田が退所していったことで、
何かが足りない気分に、なっていた。

なんだかんだで、岡田とは、
電話もするし、メールもする。
岡田も、仕事帰りに施設に来る。

会社、アウェイ!家、アウェイ!
ここ(施設)、ホーム!!!

そんなことを言いながら、岡田は。
消灯時間まで、施設で過ごしていた。

そんな夜は、足りなくないんだ。
だけど、昼間の時間。
太陽がどんなに眩しくても、
桜がどんなに鮮やかに咲いていても。

一番眩しくて、鮮やかな岡田が、いない。

毎朝、喫煙所に集結するたびに。

あれ、岡田、まだ寝てる?
・・・あぁ、退所、したんだっけ。

そう思って、切ないような気持ちになって。

時間が、解決してくれる。

今はまだ、解決できるほど、
時間が流れては、いなかった。

満開の桜が、散りゆくころには。
岡田の退所も、もどかしい気持ちも。
きっと、少しずつ、受け止めていけるだろう。

タカちゃんに避けられる意味もわからないけど、
きっと、それもまた、解決するだろう。
あたしの中に芽生えた小さな恋も。
きっと、何かしら、変わってゆくだろう。

・・・メアドは、まだ聞けないけど。

そんな、なんとなく過ぎる毎日は、
なんとなく、本当にただなんとなく、
移り変わっていったんだ。

〜続く〜

ポチッとな。 まだ登録されてたらしいよ。 登録人数でキリ番踏んだ。 人気ブログランキング【ブログの殿堂】
↑一休みしたら、また更新する予定(今日は暇人)
[ 2008/06/22 12:52 ] | TB(0) | CM(0)

お酒の魔法、ください。 

イキナリ拍手レス。

8ヶ月の息子さんを持つママさんへ。
ありがとーう!!
息子さんと共にあたい頑張る!

拍手の意味を最近知った坊主へ。
拍手っつっても、パチパチなんねーんだよ!(笑)

拍手のほーにコメントくれた方、
限定2名ピックアップでレス公開しまっする。

返事書いても公開してねーから意味なかった。
ってことに気付いたの、さっきなんだ。ごめん。

っつーワケで!!

井上、本日、合コンみたいのに行きました。

とりあえず言わせてもらう。
クルマだから飲めないんだ。

飲まなかったら恋にはならないんだ!!

・・・うん。ごめん。
友達増えたね!良かったね!
ってくらいの出会いでした。

だってホラ。

海のある街の人じゃ。なかったし。

さて!連載中の絆ですけども。
だいぶ続いちゃいそうなんで。ね。
時々こんなカンジで、
他のことも書きつつ進めていくわー。
お楽しみにしてくれたら。

あたし。腹踊りするイキオイで嬉しい。

実際は腹筋がないんで出来ません。

っしゃー!オマエたちぃ!(ヤンクミ風味)

あの夕日に向かって、走るぞ!!

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↑ちょびっと、DJ井上(懐かしー!)やってみました。はい。
[ 2008/06/21 00:14 ] DJ井上(拍手レス) | TB(0) | CM(2)

そんなこともあるさ♪ 

サメの話をしようか!

と、言いたいとこだけども。
残念。夢の話。

20歳で夢見がちなお年頃の乙女、井上です。
20歳の乙女です。

大切なことなので2回言いました。

で、こないだなんだけどもね。
あたし、すげーリアルな夢見たワケ。
リアルっつってもバスケ的な話じゃないよ。
本気と書いてマジと読むくらい、
本物みたいな夢見たんだから。

あたしったらさ。
海のある街に住んでたんだわ。
んでさ、なんつーか主婦。
ものっそい主婦してやがった。

しかも聞いてー!

男児出産。(あくまでも夢です)

しかもね!マジ可愛いんだから!
目に入れたら確実にいてーっつーか、
むしろ入るデカさじゃねぇんだけど。
とにかく、めちゃくちゃ可愛いかった!

あー。なんつーか。
井上の股から出てきただけあるね。
可愛すぎてたまんねぇ。

井上には。あんま似てなかったけどね。

んでさー。あたし。
めっちゃ真剣にオムツ替えてたから。
不器用な手で、必死で替えてたから。
したっけ、オムツ替えても泣いてんの。

あー、お腹空いてんだ!
よーし!ママ特製の離乳食。
全力でチンしちゃうからねー!

どうやら。
離乳食は、作り置きしてるらしいよ。

抱っこ紐で抱えて、
車椅子の膝に乗せて移動してさー。
どっからどー見ても。

20歳で乙女な、ママでしたから。

そんなこんなしてたら。
なんか、すんげー人がやってくんの。
義父に義母に、義祖父っつえばいいの?
超ファミリー。
超スーパーファミリー。

地球の平和はオラが守る!

っつーくらい、超ファミリー。

んでさー。お義母さんったら。
ご飯作ってきたから一緒しよーっつって。
すんげー手際良く。食卓に並べてんの。

お義母さん愛してる!とか。
井上、調子乗ってたわ。
調子乗りすぎて。

義祖父に。酒ついでやがりました。

あれ?お義父さんは?
みたいなイキオイで見回したら。

あらやだ。うちの息子と戯れてる。

やべー!あったけー!
なにこの団欒!最強!
旦那家族と仲良くご飯とかしちゃって。
なんつーか、超アットホーム!

アキバのメイド喫茶も真っ青なくらい、
我が家はアットホームカフェでしたから!


余談だけど。
あたし、執事喫茶行きてぇんだ。
誰か連れてって(はぁと)

そんな感じで、人の暖かさに触れながら、
超家族築いちゃってんの。あたし。

近所付き合いとかも、バッチリ系。
さすが嫁!みたいなノリ。
低燃費なのにビュンビュン系!

やばいわー。幸せだわー。

まだちっちゃい息子にね、
超話しかけてんの。あたし。

さっすがママ!
ゴムボールみたいの転がしながら、
一緒に遊んだりしちゃってんの。
さっすがママ!!

息子ったらさー。
キャッキャしながらヨダレだら〜って!
いやん。可愛すぎ。

夢に描いたよーな、幸せ家庭ですよ。
ぁ。あくまでも夢なんですけど!

んでね。食事の後片付けまで、
お義母さんやってくれちゃってね。
義祖父なんか、酒で楽しくなっちゃってね。
お義父さんと、息子の将来語ってんの!

男の子には野球だな!
よーし!じぃちゃん頑張るぞ!
明日にでもキャッチボールだな!

コラコラ、まだ早いじゃないのー!
まだ立ってねぇから。
うちの息子、まだ立ってねぇから!

なーんて言いながら、あたし。

グローブとボール。
タンスから持ってきちゃって。

あれー!うっかり用意してたー!

みたいな話とかしちゃってんの。

んで、宴もたけなわ。
息子もおねむでぐずついてきたワケ。

んじゃー、おいとまいたしまーす!

なんつって。
義父、義母、義祖父は帰って行くの。

あたしは息子をあやしながら、寝る準備。
食べちゃいたいくらい可愛い息子と、
ラブラブな就寝時間に突入。

一緒にねんねしよーねー。
今日も1日、お利口さんだったねー。
世界一可愛い息子よー。
パパみたいにイイオトコになるのよー。

パパ、今日も帰ってきまちぇんねー。

……今日も!?

え、ちょ、待って!
そーいや忘れてたけども。

パパどこー!!
つーかパパ誰ー!!!

今日も帰ってこないって…ねぇ…。

子供あやしながら言う言葉じゃねぇよ!
気づいて!井上!
夢ん中の可愛いママ(井上)気づいて!
可愛い息子あやしてる、
そこの超可愛いママ!

誰も言ってくれそーにないので。
自分で可愛いと連呼してみました。


ちょ、え、ぁ…

パパー!!!!!

目が覚めて、あたし。
ちょっとだけ、悲しくなりました。

パパ…

マグロ漁船でも乗ってんのかよ。

つーワケで。
海のある街にお住まいの方は、
井上を嫁にすべきみたいです。

出来れば、帰ってきてください。

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↑ケータイからだったんで、リメイクしてみました。
[ 2008/06/20 00:01 ] 美少年計画 | TB(0) | CM(2)

優しい週末 

絆〜Pieces〜 No.15

ひとりの時間が、キライだった。

みんなと笑ってるときの騒がしさ。
その喧騒とのギャップに、
あたしは耐えられなかった。

ひとりの時間が、キライだった。

暫くして、あたしの部屋は変わった。
4階の、支援員の目が届く場所から、
2階の、完全自立の部屋に変わった。

4階の頃は、4人部屋だったのだけど、
2階は2人部屋だった。

週末は、ひとりに、なる。

その、ひとりの時間をどうにかしたくて。
串田さんに買ってもらったTVで、
ただ、ひたすらにチャンネルを回す。
それに飽きたら、今度はDVDを、
片っ端から再生してみる。

何も、あたしの心を満たさなかった。

満たさないどころか、心に留まりもしない。

そんな、抜け殻のようなあたし。

自分の心を、生き甲斐を、
見つけようと思い始めて。
見つけられるような気がして。

なのに・・・

確実に稼動範囲の減った肩。
感覚がほとんどなくなった小指。

手を広げる、開くことが、
気付けば出来なくなってきた。

神様がいるとしたら。
どれだけ、あたしから奪うのか聞きたい。
どうして、あたしから奪うのか聞きたい。

あたしは、喫煙所に向かった。

あたしの居場所。
あたしに、純粋に笑うということを、
思い出させてくれた場所。

みんなを繋ぐ、場所。

外はもう、暖かくなってた。
日差しが柔らかいようで、強い。

暑いのは苦手なんだ。
体温調節の出来ないこのカラダは、
暑いところにいると熱を出す。
39℃なんて、あたりまえに出る。

いわゆる、熱中症。

汗がかけないから、
カラダの中に熱がたまっちゃうの。

だけど、そのときの。
ひとりでいる時間が耐えられないあたしは、
暑くても、熱出して弱ってもいいから。

とにかく、喫煙所を目指した。

誰もいない喫煙所。

いつものように、笑い声がない。

閑散とした、喫煙所。

ふいに、泣き出しそうになって、
涙を堪えようとして上を向いた。

桜が、咲いていた。

チラチラと咲き始めたねって、
そう言えば、こないだ話してたっけ。
もう、こんなに咲いてるんだ。

「井上ちゃ〜ん。ただいまぁ〜」

涙を堪えて、桜を見上げて。
空の青さに吸い込まれそうになっていたときだった。

普段は、帰って来ない串田さんが、
スネたようなカオをしながら、
あたしの方に来て。

隣に、車椅子を横付けした。

あたしは、おかえり〜と言いながら、
串田さんに釣られてタバコを咥えた。

串田さんは、さっきまでパチンコをしてて。
飲まれ始めたから帰って来たと話してくれて。
その話や、仕草が、すごく子供みたいで。

あたしは、笑った。

さっきまでの涙は消えていた。

「井上ちゃ〜ん。飲み行こう〜」

串田さんはそう言って、
いつもの焼き鳥屋の方を指差す。
もう喉が渇いて〜とか言いながら、
おどけてみせる姿がまた、子供みたいだった。

ご飯を外で買って食べるからと、
施設の週末のご飯は止めていたから。
あたしは、そのまま、
串田さんと一緒に、焼き鳥屋に行ったんだ。

岡田の卒業を祝った、あの焼き鳥屋に。

お酒とタバコと、塩辛い焼き鳥。
そして、社長(店主)の、
屈託のない笑顔と強引な会話。

そんな小さな焼き鳥屋は、きっと。
今のあたしの、ゴチャゴチャした気持ちを、
何かしら整理してくれるかもしれない。
串田さんというスパイスも含まれたら。
少しくらいは、整理してくれるかもしれない。

いつものように、ビールを頼んで。
焼き鳥も何種類か頼んで。
お通しの菜の花のお浸しを食べて。

串田さんが、言った。

「井上ちゃんは、ひとりじゃねぇんだから」

子供みたいな行動をするけれど。
やっぱり、串田さんは、お父さんだった。

暖かくて大きな背中と、
太くてたくましくて、
守ってくれる優しさをも兼ね揃えた腕。

あたしは、少しだけ、泣いた。

素直な心で、少しだけ、泣いた。

こんな週末があってもいいなって。

ひとりがキライと、外に出て。
暑さに負けそうになりながらも、
青いキャンパスに咲いた桜を見上げて。
堪えた涙を、やっぱり、流して。

帰って来てくれた、串田さんの優しさ。
ひとことだけの、その暖かい言葉。

その、すべてに、ありがとう。

悩んで、怖くなって、不安が募って。
だけどこの瞬間の優しさが、
すべてを包み込んでくれた。

優しい、週末だった。

〜続く〜

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[ 2008/06/18 23:02 ] | TB(0) | CM(3)

週末の時間 

絆〜Pieces〜 No.14

うっかり彼氏が出来てたとかいう、
大きな罠にハマって、思ったこと。

あたし。また同じ過ち繰り返すの?

気付いたら彼氏が出来てた、とか。
どうなの?それ、どうなの?

てか、告られてねーんだって。
あたしも告ってねーんだって。

・・・まぁ、どーでもいいや。

あたしは、あたし。
変わらずに、みんなと笑いたい。
出来れば、障害の状態も。
変わらずに、みんなといたい。

だから、あたしは。
今までと何も変わらず過ごしてた。
タカちゃんに対する態度も、
他のみんなに対する態度も。

ある夜のことだったと思う。
週末の、閑散とした喫煙所で。
岡田も、北原さんも、串田さんもいない。
もんちゃんも、モチロンいない。
唯一残ってた、高見さんも。
その夜は、いなかった。

あたしとタカちゃんの、2人。

喫煙所で、無言の時間を過ごしてて。
笑うでもなく、話すでもなく。
ただただ、タバコの煙を吐き出して。

・・・空気が、重てぇ。

ど、どうしよう、この空気。

あたしは、なんか知らない間に。
タカちゃんの彼女に仕立て上げられてたけども。
ぶっちゃけて話すと。ね。

2人になると。会話ないんだよね。

メールでは良く喋るタカちゃんも。
最初の頃は良く喋ったタカちゃんも。
この頃は、ほとんど喋んなくて。

うわー・・・空気重てぇー・・・。

てかね。言わせて。

付き合い始めのカップルの空気じゃないわ。

もうね、まさに倦怠期突入っつーか。
むしろ別れ話に突入っつーか。

こないだ、お母さんに紹介されたのって。
もしかして、夢だったんじゃないかなって。

夢だったのかも!?

あたし。その空気で思ったわ。
そーいえば、告られたワケじゃないし。
あたしも、告った覚えもないし。

あれ。なんかの冗談だったんじゃね!?

そう思ったら、あたし。
ひとりで笑ってたワケ。
タバコ吸いながらむせるくらい。
うっかり、笑ってたワケ。

「なにイキナリ笑ってんの?」

あ、はーい。はいはい。
すいません。ちょっと考えたらおかしくて。

「そー言えばさぁ。聞きたいことあんだけど」

タカちゃんは、弄くってたケータイをしまって。
タバコに火をつけながら、あたしの方を見た。

な、なによ、改まっちゃって。
え・・・まさか・・・好きかどーかとか。
聞かれたりしちゃったり・・・する・・・??

やべぇ。ど、ど、どうしよう。

俺のこと好きなのかよ!とか言われたら。

ごめん!ダウト!!

とか。うっかり言ってしまいそう。
そんな、うっかりな井上(自称20歳/乙女)

「ねぇ。聞いてんのか!?」

!!!

あたしったら。トリップしたわ。
あたしの妄想の中で。
ものすっげー昼ドラみたいな、
修羅場の映像流れちゃってたわ。

「だからさぁ。何人とヤッた?」

えーっと。質問の意味が良くわからな・・・。

「何人と寝たかって聞いてんだよ!」

タカちゃん。軽くキレてたから。
妄想繰り広げて、話聞いてねーし、
いざ聞いてみたら理解できてねーし。

うわぁ・・・あたしサイテー・・・!

「え、えーっとぉー・・・」

あたしったら。そのキレっぷりに。
軽く引いてたりしたんだけども。

次の瞬間。超考えたよね。

うわぁ・・・やべぇ・・・覚えてねぇ・・・
つーか、数えたことなかったんだけどー。

数年前。イトコとの会話で。
昔付き合った男の数いくつだろって。
お互い、超考えたけども。

思い出せない人も、いたワケで。

ホ、ホラ!あたしってばさ。

過去は捨てる主義だから。うん。

そんなこんなで、考えてたんだけども。
ぜんっぜん、数字とかわかんねーの。

そしたらタカちゃん。

「答えらんねーのかよ!つまーんなーい!」

そ、そこ楽しむトコなのー!?

それって。つまる、つまらないの。
問題になるんですか。そうですか。

「じゃ、じゃあ、タカちゃんはどーなのー?」

あたし。ノリとイキオイで。
うっかり、タカちゃんに質問振った。
振ってみちゃった。

特別興味もないクセに。聞いちゃった。

「俺はねぇ〜・・・」

そう言いながら、タカちゃん。
百面相が始まっちゃったワケです。

オマエは怪物くんか!ってくらい。
めちゃくちゃ、表情変えながら。
すんげー考え始め・・・

ってー!指折って数えてるー!!

「うん、28人!」

すっげー微妙な数字出たー!!

28人って、アンタ。
それ、どーなのよ。ねぇ。
なにその、微妙にリアルだけど、
なんか胡散臭い、その数字。

・・・10人超えてきたら。数えらんなくね?

だって、ホラ。
指折ったって、足りないじゃん。
人間の指って。
基本的には、片手5本らしいんだけど。

つーか。そもそも、20人超えたら。

確実に、覚えてないもんじゃね?

20人前後なんじゃね?とか。
10人は超えちゃったかなー?とか。

普通、アバウトなもんじゃね?

3人とか、2人、とか。
片手で収まるくらいだったら。
そりゃーわかんなくもないよ。

28人って・・・ねぇ・・・。

「初めてが中3のときだったから、俺、すごくね?」

・・・う、うん。すごいね。

あたし、そう答えてみたけども。

28人って、言い切ったアンタすげぇよって。
初体験から数年で、とか。
そんな武勇伝、別にどーでもいいけども。

にじゅうはちにん!

そう言い切ったことが、すげぇよ。

ってことは、そのときは言わなかったけども。
あたし、軽くっつーか、結構。

引いたわ。

胡散臭すぎるよ、タカちゃん・・・。

あたしは愛想笑いをしながら。
タバコを吸い込むフリして深呼吸。

まきが29人目だよ(はぁと)

なんて言われたら泣くわ。あたし。
全力でお断りするわ。あたし。

どんなに秘境が乾ききってても。
記念すべき29人目には、
なりたくないわー。マジでー。

そう思いながら、消灯までの時間を。

また、無言で過ごす、2人。

もうね、カンベンして。この空気。
しかも、ヤッた人数の会話の後にこの空気。

気まずいにも、ほどがあるんスけど。

ちゅ・・・中学生みたいじゃないか!!

中学・・・ちゅうが・・・ちゅう!?

やーめーてー!!
チュウとか、されちゃったらどうしよ。
やべぇ。あたし、ムリなんだけどー。

チュウは、してぇ。

だけど、タカちゃんとは、ないわ。

って、あたしが思ってるのを。
気付いてたのか、わかんねーけど。

そんな展開は、全く持ってなく。

その日も、静かに、消灯の時間になりました。


だけど、そうして。
タカちゃんと無言の時間を過ごしてると。
胸の奥が、痛むんだよね。

もんちゃんが、好きなのになって。

そしたら、あたしの心の奥。
根っこの部分が、また、疼きだすんだ。

こんなんなってまで、
なんであたし、生きてんだろって。

日々感じる、遠くなる腕の感覚。
もう、こんな不安を抱えながら、
自分の気持ちにまでウソついて。

生きていたって、意味がないじゃない。

タカちゃんといると思うんだ。
そんな風に、なんとなく。
週末のこの、無言の時間がくると。
ものすごい、不安に襲われるんだ。

早く、週明けになってよ。
岡田も北原さんも串田さんも。
早く、早く帰ってきてよ。

もんちゃん。早く喫煙所に来てよ。

そんな風にして、無言の週末は。
何度も、あたしの心の闇を、
拡げてくれちゃったんだ。

〜続く〜

ポチッとな。 まだ登録されてたらしいよ。 登録人数でキリ番踏んだ。 人気ブログランキング【ブログの殿堂】
↑メールくれる人ほとんどが「印税でゴチって!」って・・・コラー!!
[ 2008/06/17 23:24 ] | TB(0) | CM(2)

苦悩の日々 

絆〜Pieces〜 No.13


恋の予感を感じてから。
あたしは、考えた。

・・・やべぇ。恋とか、久々すぎる。

してましたよ。亀梨くんだったり、
通りすがりに見かけたイケメンだったり。
ほのかに小さな恋はしてましたよ。

あたしの、妄想の中では。

ど、ど、どうしよう。

いわゆる「干物女」って言葉が、
ものすごく胸に刺さってた。
メールって、絵文字って、なんだ?
デコメって、どんなんだ?

やべぇ。あたしのメールって。

可愛げが、ねぇ。

その時、まだもんちゃんのメアドなんて知らなくて。
喫煙所や食堂で逢うのを心待ちにするだけ。
だから、メールだとか考える必要なんて、
全く持ってなかったんだけど。

いざってときの、勝負下着。

そんなイキオイで、用意周到でいたかったんだ。

もんちゃんは、20歳になったばっかだった。
見た目が、確実に10代に見えたのもあって、
あたしは、余計に悩んでたんだ。

・・・20歳。タメだ、タメ。
・・・でも、ぜってー10代っぽい。
・・・いや!来年は、もんちゃん年上だ。

・・・で。
20歳のもんちゃんの心を掴むのは、
やっぱ、絵文字いっぱいのメールだよね。

その日から、あたしの特訓が始まった。

その頃、タカちゃんのメアドは知ってて。
タカちゃんも20歳ってのもあって。
あたしは、タカちゃんのメールを見直した。


−−−−−−−−−−−−
今日ゎもぅ寝ちゃう
明日の体育めんどぃな
−−−−−−−−−−−−


・・・ふ、ふーん。

とりあえず、返信してみっか。


−−−−−−−−−−−−
まだ起きてるょ
明日もお互い頑張ろー
−−−−−−−−−−−−


・・・起きてねぇよ、寝てるよ、その絵文字。

つーか、会話続かねーんだけど。

あたし。自分のメール見て泣いた。
あまりにも絵文字が使いこなせてなくて泣いた。

昔、友達に言われたことがあったんだ。

「井上のメールって、華がない」

そうか、華がないのか。


−−−−−−−−−−−−
こんばんゎ
久しぶり元気
まきもメェルで
華咲かせることにしたょ
だから練習付き合って
−−−−−−−−−−−−


あたし、めっちゃくちゃ頑張ったんだ。
友達に練習付き合ってメールして、
タカちゃんからのメールにも、
必死で会話を続けさせようとして。

そしたら、友達から返信がきたんだ。


−−−−−−−−−−−−
ねぇ。キモチワルイ。
ついでに言わせてもらうと。

華違い、なんだけど、アンタ。
−−−−−−−−−−−−


・・・冷静すぎるよA子ー!!!

華がないって言うから、あたし。
花のカタチの絵文字使っただけなんだ。
だけど、意味が違ってたらしいんだ。

あたし。全力でテンパりました。

どーやって返信していいかっつーか。
A子の冷静さにどう絵文字で対抗していいのか、
もう、ぜんっぜん、わかんなくなってた。


−−−−−−−−−−−−
井上
まさかアンタ恋しちゃッた
ヤダウケるωダケド

仕方ないから、
千円で講師するわ
−−−−−−−−−−−−

迷ってるうちに、A子からメールがきたワケ。

お、お金とんのかー!!

てか・・・なにこの可愛い系。
途中、日本語とは思えない文字。
入っちゃってんだけどさ。これ。
どこにあんの?その文字。
むしろ何て読むのよ、それ。

って!絵文字ダブルで使ってる!!

つーか、なにこの20歳っぷり。
あたしも20歳のハズなのに。あれ。


−−−−−−−−−−−−
2千円出すから、頼む。
−−−−−−−−−−−−

負けたね。あたし、完全に負けたね。
倍出してまで、A子に頼み込んだ。

それから、あたしは。
A子に、毎晩メールに付き合ってもらって。
タカちゃんからきたメールにも返信して。

いざ!もんちゃんのメアドゲット!!

・・・って思ったら。

怖くて聞けない、あたしがいました。

やっぱり、勇気が出ないよ。
恋愛ってなんだっけ。
好きって、どんなだっけ。

また傷つくの、怖いよ。ヤダよ。

そんな、躊躇する毎日が続いて。
躊躇するくせに、特訓を繰り返す毎日。
そんな矛盾した毎日が続いて。

ある日の、こと。

??「まきちゃん!こんな息子だけどよろしくね!」

突然、休日の喫煙所で。
あたしは、声をかけられたんだ。

タカちゃんの、お母さんに。

・・・!?

「やっぱ、紹介しとこうと思って」

えと・・・紹介・・・しとこうと・・・??

「隣にいんじゃん!って、まき言ったじゃん」

え、あ、はい。
部屋、隣ですから。
言いましたけど。言いましたけども?

「テレんだろ!そーゆーこと、だよ!!」

ま、ま、待ってー!!!

なんでテレてんの、アンタ!
つーか、ど、どーゆーこと!?

井上の脳裏に。イヤな予感が、足音を立てて。
一歩一歩、向かってくるのがわかった。
だけど、あたし。認めたくない。

「彼女出来たって、おかーさん呼んだんだ」

や、やっぱりそーゆーことー!!!

てゆーか!あたし告られてねぇえええ!!
その前にあたしも。告った覚えねぇぇえええ!!

あたしの思考回路。ショートした。
セーラームーンみたいに寸前じゃなかった。

完っ全に、ショートした。

その後の会話(お母さん含む)は。
全く覚えてるワケもなくって。

マックで売ってる0円の仮面被って、
ただ、ひたすら。
引きつり笑いをするしか、出来なかった。

メールのやり取りが、きっと。
彼の気持ちを加速させたんだと思う。
ものすげぇ、全力でごめんって思った。

反省はしてない。

だけど、後悔はしてる。

それが、あたしの恋の始まり。
もんちゃんへの想いを隠し通していく、
そんな毎日の、始まり。

あたしの苦悩は、続く

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↑今じゃ俄然可愛いメール送れます。たぶん。気が向いたら。
[ 2008/06/16 22:42 ] | TB(0) | CM(3)

可愛いフリしてあの子 

20080616001257
これ、井上の幼少期。
なんか発見したから載せとく。

可愛くね?
眉間のシワが。

この幼少期。
まさか、こんな人生を歩むとは、
思ってなかっただろぉなぁ。

だってさー。
うちで飼ってた犬にまたがって。
金太郎ごっこ。してたし。

むしろ髪型が金太郎だろ。あたし。

この写真からにじゅう…じゃなかった。
18年くらいかな。てへ。
まさか、北は北海道。
南は沖縄まで。
日本駆け巡るくらいの勢いで。
ネットなんつーもんの普及で、
みんなと繋がってんだからすげぇ。

この頃のあたしに言いたい。

あんたは18年後、歩けなくなんぞ!
今のうちに歩いとけ!
歩けなくなる代わりに、
大事な仲間とか、日本中の仲間とか、
とにかくすげぇもん手に入れんだ!
ついでに、手も不器用になんぞ!
自分、不器用ですから。
とか言っちゃうぞ!

巨乳にな…れるかもしれないよ。
でも乳なんざ飾りです。

みんなからのメールやメッセージ読んで、
えぐえぐしたら眠くなっちった。

父の日。
お父さんにありがとう伝えてくらさい。
井上は、下着あげちゃいました。
勝負に使え!と。
したら、夏に下着ゎ着ねぇ!
とか言われて、仕舞い込まれたよ。
少し切ねぇ。

あーして、忘れられるんだぜ。

さてはて。
宮城・岩手。東北方面の方々。
その後、地震はだいじょぶですか?
余震とか、怖い思いしたっしょ?
気をつけてね。これからも。

眠すぎて、取り留めがない更新失礼!
明日はばんがりやす。
[ 2008/06/16 00:12 ] 井上ケータイ発進。 | TB(0) | CM(0)

静かなる始まり 

絆〜Pieces〜 No.12

あたしがライターを渡した少年。
もんちゃんは、すぐに喫煙所に来た。

喫煙所という空間は不思議なもので。
知らず知らずのうちに、何故か。
目に見えないもので繋がっていく感じ。

そう。煙のように柔らかくて、
だけど、残り香がほのかに香るような。
目には見えない、なにかで繋がる。

もんちゃんと初めてゆっくり話したあの日。
あたしは、自分のカラダのこと、
今までの生活や、こうなってからのこと。
どうしてだったか、良くわからないけど。
すごくたくさん、話をした。

初めてする会話にしては重たい、話。

「もうさ、手はダメかもしんねぇや」

「てかさ、いつまで自走の車椅子乗れるかわかんね」

もんちゃんは、ただただ黙って。
時々入れるあたしの笑いに釣られて笑って。
だけどすぐ、また遠い目をしながら黙って。

あたしは、吐き出したかったのかもしれない。
毎日が楽しければ楽しいほど怖くなる。
祈らずにいられない毎日が悔しい。
そんな愚痴にもにた感情を、
誰かにぶつけたかったのかもしれない。

あたしのいた、この施設には。
あたしと同じ病気で入所してる人が、
あたしを含めて3人いたんだけど。
ただでさえ、わからないと言われる病気で、
そこで3人が出逢った事が奇跡で。
その奇跡に驚愕したけれど。

それ以上に、症状が。
3人それぞれ違うことにも驚愕したんだ。

高見さん。
彼は、喫煙所で一緒にいる人で。
だけど、うちらのアホなやり取りを、
少しだけ離れたところで聞いていて、
小さく笑いながら聞いていて。
兄貴のような、存在感で。
その頃はまだまだ、
少しだけ離れた場所にいた人。

彼は、下半身不全麻痺だった。

自分の意思で脚が動かせるけれど、
異常感覚と痙性という痙攣によって、
歩くことが困難な人。

かずさ。
彼女はすごく可愛い少女。
偶然にも、このブログを読んでいて。
初めて話したとき、すっげぇ笑ったっけ。
人見知りが激しいけど、
あたしには少しだけ心を開いてくれた子。

彼女は、立つことも歩くことも出来る。
長距離を歩こうとすれば、貧血を起こしたり、
転んでしまうことが多い。
歩ける代わりに、手はいつも握られていた。

そして、あたし、井上まき。
立つことも歩くことも出来ない完全麻痺。
そしてこの頃、手の痺れが強まって、
日々、手を使うことが困難になってた。

3人の胸の内は、きっと。
先の未来への不安でいっぱいだった。
そして、今も、そうなんだと思う。

あたしは、そんな不安を、
もんちゃんにぶちまけていた。

だけど、最後は笑って。

「意味わかんねぇな、このカラダ!」

そう言って、不安をはぐらかしていた。

その日からだったと思う。

もんちゃんが、変わっていったのは。

出てこれる範囲内ではあったけれど、
喫煙所に来ては話をするようになって。
訓練の体育の授業にも、
カオを出してくれるようになった。

少しだけテレ屋なもんちゃんは、
いつも、うつむくか遠い目をして、
あたしのくだらない話を聞いてくれた。
あたしたちのアホな会話にも、
笑って参加してくれていた。

その、はにかむ姿が、すごく可愛かった。

たまに、もんちゃんの話も聞いた。
このカラダになったときのこと、
その前にあったこと、失敗したこと。

やっぱり、似てるとこがあるなって。
だから余計に、気になって。

ある日の、家事訓練。
生活訓練の一環として行われる、
料理をしてみる訓練の日。

あたしが家事訓練をするときは、
決まって喫煙所メンバー分も作るの。
彼ら、絶対食べに来るから。
あのときのメニューは、
カレーとレアチーズケーキ。

レアチーズケーキは、ね。
あたしが心をこめて、独りで作ったんだ。

最後の一切れを、
もんちゃんに食べてもらうために。

もんちゃんは、食べてくれた。
キライだったから無理やり食べたのかと、
思わず考えてしまうほどの速さで、
ほおばってくれたんだ。

その、ひとつひとつが、
すごく、嬉しかった。

恋の、始まりだった。

諦めかけていたはずの、恋。
このカラダになって、最初に思ったこと。
それが「恋愛なんか出来ない」だった。

身近にいた人に、あたしは。
一生車椅子であろう話をしたとき。
ハッキリ、言われたんだ。

「オマエ、めんどくさいな」

何よりも、その言葉は重かった。
自分自身を受け入れて欲しい。
自分自身も受け入れて生きたい。
そんな、カミングアウトの瞬間。

壁だった。
障害者と健常者という、
高くて届くはずもない壁だった。

あたしが、強く感じたものは。

健常者の、立ってる目線なら。
もしかしたら、低い壁なのかもしれない。
だけど、立つことのできないあたし。
そこから見たら、すごく、すごく。

果てしない、壁を、感じた瞬間。

それ以来、すごく怖かったんだ。

あたしの障害を受け入れてもらうこと。
あたしの障害を理解してもらうこと。
叶わないなら、もう。

恋愛は、出来ないんだって思ってた。

どんなに好きだと言ってくれても。
その裏に隠れた同情を見た瞬間、
どうしても一線を引いてしまう。

そんな、凍った心を。
もんちゃんは、溶かしつつあった。

小さな恋の予感がした。

それは、日々、大きくなっていたんだ。

〜続く〜

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[ 2008/06/15 01:02 ] | TB(0) | CM(0)

カメハメハが出せた。 

あたし、ここ読んでくれてるみんなに、話したかな。

つーか最近読み始めましたって人もいるから、
今日は少しだけ、
元祖井上タッチも交えて書かせてもらうわ。

あたしは2005年の冬の始まる頃。
何がなんだかわかんねーうちに、
下半身の感覚を失くしちゃったワケ。

気づいたら、立ち上がれねーの。
気づいたら、失禁とかしちゃってんの。

触ってもわからない。
爪が剥がれても、気づかない。

その当時の話とか、ね。
そーゆー詳しいのは、また今度。
別の機会でお話しますけども。

とにかく、意味もわかんないまま入院して、
意味もわかんないまま車椅子生活になって。

わかんねーながらも、考えたワケ。

ここを読んでくれてるみんなが、
すんげー頑張ってくれてるから。
家族や親戚や友達が、
すんげー頑張ってくれてるから。

やべぇ。あたし、泣いてる場合じゃねぇ。

みたいな気持ちになって、

うわー。とりあえず生きてなきゃー。
つーか笑ってなきゃー。
井上らしく、生きなきゃー。

そんなカンジで、それなりに、
ソコソコ前向きっぽい人生始めました。


ダンジョンで迷って抜けられねーんで、
とりあえずリセットボタン押したワケ。
したら、ダンジョン入るより前で最後セーブしてて。

ちょ、あたしのバカー!みたいな。

そんな状態になっちまったワケ。

でも、進めなきゃクリアできねーし。
レベル上げなきゃ進まねーし。

んで、だりーとか思いながら。
ゴブリン倒してたワケ。

そこで、気づくワケですよ。

あれ・・・クリスタル取ってない・・・!

うわー。ジョブチェンジできねー。
あたし、すっぴんのままなんだけどー。
ケアル使えねーじゃん!
やくそうしかねーのかよ!

うわー・・・金もかかるしなぁ・・・。

んで、チョット電源切っとくんだよね。
しばらく、放置プレイ、みたいな。
気が向いたら、またやるかなーって。

そうこうしてるうちに、さ。

あれ?あたし、どこまでやったっけ?
つーか、めんどくせーから、
もう、やらなくていいんじゃね?

そんな気分に、なるワケじゃない。

今まで、散々冒険したしなーって。

あ。冒険という恋愛を、それなりに。

だから、もういいかなーって。

巨乳でキレイな20歳のまま逝けたら、
それはそれで、いーんじゃねーの?

そんっくらい、やる気なくしてた。

ちょっとー!そこでツッコミ入れないでー!!

誰が巨乳だって?とか。

はいはーい。あたしあたし。
井上まき(自称20歳/俄然乙女)のこと。

キレイって、誰が?とか。

目とか、細めて見てみろっつーの。
もしくは遠目で見てみろっつーの。
なんとなく、矢田亜希子に似てっから。

20歳のとこには、ぜってぇツッコミ入れんな!

突っ込む、突っ込むって・・・
ヤダ・・・みんな・・・卑猥なんだから・・・(照)


で!!

そんな気持ちでやってきたのは、
リハビリセンターとか呼ばれるトコですよ。

巨乳になって永久就職します!

とか。そんなわけわかめーな発言して、
それでもなんとか入所できた施設ですよ。

初日から、なんかうっかり、路線間違えた。

あたし、新宿行くつもりだったのに、
うっかり埼玉の奥の方まできちゃった。
うわー。やっぱ山手線乗ればよかったー!
あれならどっち回りでも良かったー!

そんっくらい、後悔したよね。

でも、そのおかげかもしんないけど。
みょーに固い絆っつーのが出来たワケで。
なんか、あたしったら、笑ってた。
すんげー勝手に、笑っちゃってた。

で、みんなのこととか思ったワケですよ。

あー。なんとなく、空元気でごめんって。

いえね。ホンキで笑ってたこともあったけども。
気づいたら、そんなんとか忘れてたワケで。

脚の感覚だけじゃなくって、
脚やら排泄の機能だけじゃなくって。

心の感覚っつーか、機能まで。
失っちゃってたカンジだったんだよね。

色んなモン乗り越えねーと。
乗り越えて、みんなに今度はホンキで。

アンタたち全員、ここ読んで笑えー!!

なんて、叫んでやろーとか思ったワケ。

そんでもってさー。いつか。

井上まき(自称20歳/乙女)結婚しまーす!!!

巨乳になったから永久就職するーっつってー。

・・・ごめん。調子乗ったわ。
巨乳にならなくても。結婚はしたい。是非。

そんな風に考えられるよーになるまで、
実はすんげぇ時間がかかっちゃったワケ。

だってさー。あたしったらさー。
うっかりにもほどがあるっつーか。
ドジッ娘キャラどころの話じゃねぇっての。

腕。痺れて動かなくなったんスけど。

動かなくっつーのは言い過ぎかな。

だけど、リンゴ潰せんじゃねーかと思った握力は、
今じゃ箸すら使えないほどなくなったワケ。

アスリートにでもなれんじゃねーかって。
そんくらいの腕力なんて、
今となりゃ、どこ探してもみっかんないワケ。

手。小指側。
感覚、ぶっちゃけ、もう、ほとんどないの。

何あたし、うっかり病状進行してんのー!

そんなこんなでさー。
あたしったら、なんか。

これから先も、ね。
どーなるか、わかんねーらしい。

数年後には、寝たきりになってっかもしんねぇ。

数年後も、なんも変わってねーかもしんねぇ。

ぁ。数年後も、あたしは相変わらず20歳ですけども。


未来ってなんなんだよー!!!

あたし、思わず叫びそうなイキオイだったね。
キミが好きだと叫びたいとか、
そんな気持ち超越してたかんね。

桜木花道のリーゼントよりも、
流川のセンスやイケメンっぷりよりも、
俄然、あたしのほーが男前(ホントは乙女だけどね☆ミ)

そんっくらいの気持ちで、
叫びだしそうなイキオイだったかんね。

つーか、未だに毎日、
痺れの強さや腕や肩の稼動域、
ものすげーチェックしてるくらいだしね。

ピーコより、辛口にチェックしてっから。

首の根元が、締め付けられるよーに痛いと、
もんのすげー怖くなったりする。
ホラ、良く背中いてぇとか、言ってたじゃん。
一昨年の、今くらいの時期だったかな。

あれって、もしかしたら。

病状が進行してたサインかもしんねんだって。

うわー!やっべぇー!
あたし、まだやり残したこといっぱいあんだわ。

結婚してさー。
もし、子供とか授かっちゃりしたらさー。
めっちゃくちゃ溺愛しちゃうよねー。
んでさー、男の子だったりしたら、
確実にキャッチボール!野球!!

パパとキャッチボールしておいでっつって。

あたしったら、買い物行って、
晩御飯の準備とか、お風呂の準備とか。
めっちゃくちゃ乙女だから、するワケ。

んで、泥だらけで帰って来た息子と、
やっぱ泥だらけ(かもしんない)旦那さんに。

先にお風呂入っちゃいなさーい!

とか言っちゃったりしてさー。
んで、旦那さんと息子が「はーい!」っつって。

パパのカレー大盛りね!
じゃぁ僕も大盛りねー!!

とか。そんなこと言われちゃったりして。
そんでもって、あたしもあたしで。

ハイハイ、3人とも大盛りね!

ってー!あたしもうっかり大盛りー!
みたいな。そんなこと言い合って笑うの。

ってゆー。妄想が広がって止まんねーんで。

まだまだ、寝たきりとかなれねぇ。
なったら、なったときに考えるしかねーけど。

なれねーし、ならねー!って思ってたら、
なんないかも、しんねーもん♪

って、思えるまでに、かかった時間の分。

みんなに、いっぱい、
あたしのこと、障害のこと。
知ってもらって、もっともっと、
近くに感じられたらなぁ、と。

そんでもって、みんなにも、
幸せになって欲しいなぁって思います。

うわー。照れるんだけどー!!

えーと、うん。

みんな、ホントにいつも、ありがとう。
気づいたら、36万ヒット超えてくれちゃいました。
この、みんなとの空白の時間を埋めるよーな、
そんな気持ちもあって書き始めた施設生活編・絆
これが始まった頃は、23万ヒットくらいだったのに。

いつの間にやら、数字がでっかくなってたよ。

ビックリして、乳もでっかく・・・

みんなの頑張り、励ましとか。
そーゆーのがきっと、あたしに届いてて。
だから、あたしも頑張れちゃってて。

なんつーか。

みんなのおかげで、元気玉出せました、みたいな。

何が起きても気分は へのへのカッパ!みたいな。

ホント、たくさん、ありがとう。

これからも、よろしく。ね。

みんながくれるメール、
しっかり読んでるんだけども。

返事こねーよ!井上ー!!とか思ってる?

たまに、運のいい人はきてるハズ。

手の調子にも、やっぱよるんだわ。
返事書きたいなーとか思うんだけども。
ブログ書く余力残せないくらい、
全力で書きたくなっちゃうんだよね、返事。

んで、全員に返事出来ない分、
ブログの更新で伝えたいなぁとか。ね。

揺れる胸・・・じゃなかった。

揺れる乙女心っつーヤツだよ!!

全力でブログも更新するし、
全力でみんなの励ましや頑張りに応えたいッス。
だから、今日は叫ばせてください。

あーりーがーとーうー!!!

ごくせんラスト10分くらいの、
ヤンクミ風に言わせてもらったら。

オマエたちぃ!!

みたいな。いや、深い意味はねぇんだ。

明日からも、気合入れていくんで、
よろしくお願いしますよーっと!

みんなも、気合入れてメールとかコメントで、
井上ラヴって伝えてくれていいんだからねっ!

伝えてくれないと、泣くんだからねっ

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↑ホントみんな、愛してるー!!押してくれたらもっと愛すー!!!
[ 2008/06/13 00:27 ] 雑記 | TB(0) | CM(4)

予感 

絆〜Pieces〜 No.11

散らかしたライターの数は、
正直すごいことになってた。
タバコをカートンで買えば貰えたし、
自宅からもいくつか持ってきていたし、
友達からもらったものもあった。

ひとつずつ火をつけてみては、
これでもない、とベッドに投げる。

なぜ、こんなにライターひとつで考えるのか。

それは、少年の障害の状態を考えるから。

相手をひとつ理解することは、
相手にひとつ、近づくこと。
そうやって、あたしは今までやってきた。
友達、家族、恋人。
大切に想うからこそ理解したいと思う。

理解して、相手を認めて、自分を認める。

すれ違いや理解したつもりが重なって、
失った人も、もちろんいるけど。
それでも、あたしはいつも、そうして。
出来るだけ、相手を理解したいと思っていたから。

理解しようとする気持ちが伝わればきっと、
相手も理解しようとしてくれる。

心の鍵は、そうして開くのかもしれない。

少年は、頚椎損傷。

下半身麻痺ではなくて、四肢麻痺。
四肢麻痺は、無常にも脚だけじゃなく、
上半身・・・腕や手にも麻痺がある状態。

だから、押せばつくような、
カンタンなライターを選びたかった。

あたしはその頃、上半身に麻痺がなかったから。
若干の痺れと違和感は感じていたけれど、
麻痺と呼ぶほどの状態ではなくて、
自分の意思で、手を使う生活だったから。

それまでは、自分の当たり前が当たり前で。
脚が動かない分、手で生活をすること。
それが、当たり前になりすぎていて。
だから、ハッとしたんだ。

そうだった。
当たり前の基準って、
どこにもないんだった。

そう思ったら、あたしは。
なんて自分はちっちゃいんだろうと。
理解したいなんて、甘いなと。
でもあたし、やっぱり理解したい。

もしかしたら、あたしも。
今、当たり前だと思っているこの生活が、
当たり前じゃなくなるかも、しれないんだ。

だって、この腕の痺れは、
日々感覚を遠のかせている。
認めたくないから、考えたくないから。
・・・笑って、いたいから。
だから今は、気づかないフリ。
気づいて気持ちで負けたら終わり。
今はまだ、負けたくは、ない。

そんなことを考えながら、あたしは。
少年の使えそうなライターをひたすら探した。

コレだと決めたライター。

このライターに祈りをこめよう。

少年が、自然と笑える日がきますように。
一緒に笑える日が、きますように。
そして、似たもの同士・・・
色とりどりな世界を、もう一度見れますように。

ライターの火が灯るように。
熱くて、時に強く、時に弱く。
自然体でいられますように。
明るく、いられますように。

あたしは、そのライターを枕元に置き、
他のライターを片付けて、横になった。

明日も、笑えますように。

眠りについた時間は、覚えていない。
けれど、カラダが・・・凍りつくような、
それなのに燃えてしまうような。
そんな感覚に気づいたときには、
もう、空が明るくなっていた。

このときの感覚は、今も覚えている。
たまに下半身に起こる、
燃えるような灼熱感に似た感覚。

それが、全身・・・
胸から下全体と、腕。
そこに起こった、初めての夜だったから。

目を覚ましたとき、あたしは。
一瞬・・・金縛りにでもあったかのような、
腕がなくなってしまったかのような、
そんな錯覚に襲われた。

電動ベッドを起こして、安心する。

あぁ、今、スイッチに触れた。

大丈夫。腕はなくなってないし、
金縛りにもあってはいない。

今日も変わらない朝が来て、
きっと、笑い転げる一日になる。

カラダの位置を整えて、化粧の準備をする。
それも、いつもと変わらない始まり。
少しだけ、ほんの少しだけ。
アイライナーを持つ手が震えていた。

あたし、怯えてる。
脚が動かなくなったように、
手も動かなくなるんじゃないかって。
今、まさに、怯えてる。

落ち着こう、とカラダの位置を変えて。
座る姿勢を整え直そうとした、そのとき。

枕元に置いていたライターが、
親指に、触れたんだ。

そうだった。あたし。
昨日、このライターに祈りを込めた。
だから今日も同じように笑って、
そして、あの少年に、
このライターを届けなければ。

その後、手が震えたかどうかは、
今は全く覚えていない。
ただ、そのときは夢中で、
ライターを鏡の横に置いて、
身支度を整えていたと思う。

そして、車椅子に乗り移って。

あたしは、隣の部屋に向かった。
少年のいる、隣の部屋に。
入り口側の、向かって左側。
そこに、少年はいる。

声、かけていいのかな。

イキオイでそこまで行ったものの、
声をかけていいものか悩んで、
車椅子をこぐ手が止まる。

ライターを見つめ、考える。

・・・大丈夫。祈りは届くはず。